「あれ?あの人、山南さんじゃない?」 買い物を終えて、屯所に戻るときに沖田が言った。 青葉もその方向を見てみた。 「確かに、山南様に見えます。一緒にいるのって、恋人?」 確かに山南がいるのだが、美しい女と一緒にいる。 見るからに遊女だと分かる、高そうな着物を身に付けている。 「確か、明里さん、だったよね」 「はい」 青葉が頷くと沖田にやりと笑った。 「近づいてみようか」