元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー






***


「このケーキ美味しいわね。」


「そうだね〜」


やっと大人しくなり、ケーキを食べ始めた麗華。

ちなみに、仁くんは用事があるから、と言って帰った。

だからいま此処にいるのは、私と麗華のふたりだけ。


「…あ。」


「どうしたの?」


ケーキを食べ終わった麗華が、ポツリと声を漏らした。


「あ、や、ちょっとね。今日は1ヶ月ぶりに弟が帰ってくるのよ。」


「麗華って弟いたの?」


麗華は一人っ子だと思ってたよ。なんかそんな感じがするし。意外だなー。



「えぇ、双子の弟がいるの。」



「双子!?」



更に吃驚して、私は目を見開く。



「そ、桜、会ってみる?」


「会いたいっ!」


私はキラキラと目を輝かす。

麗華の弟かぁ。似てるのかな?