元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー




「…あれ?」


テーブルの上のケーキと紅茶は、2つずつしかない。

今ここにいるのは、私と麗華、それから仁くんの3人なはず…。




「どうかした?」


「ケーキと紅茶、2つずつしかないよ?」


「…あー…、いいのよ。アイツにケーキなんて勿体無いわ。」


「ひど!」


麗華め!と、仁くんが嘆く。

ケーキ…食べたいけど、仁くんの分はないんだよね?あげた方がいいのかな?


「えっと…、仁くん、ケーキいる?」


「え!」


仁くんは凄く驚いた顔をする。

マサかそんなことを言われるなんて、思わなかったのかなぁ?




「いやぁ、桜ちゃんは優しいねぇ。



…どっかの誰かさんと違って。」