元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー





麗華が悲しんでしまうなら、頼らない方がいいんだ。

きっと、そう。

麗華は、時々ふとした時に悲しい顔をする。

なんでか理由はわからないけど、それが”私のせい”だって事はわかるの。

だって、麗華が悲しい顔をするようになったのは、”あの日”からだから…




「…ら、桜!」


「えっ、あ、な、何?」


いつの間に戻ってきたのか、麗華の右手にはケーキと紅茶が。


「持ってきたよ。…考えこと、してたの?」


「ま、まぁそんなとこかなっ?」



「ふーん…。よし、じゃあ食べようか」


テーブルの上にケーキと紅茶を置くと、麗華は私の向かい側に座った。