元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー






…なんだか、見てて可哀想になってくる。


取り敢えず今分かったのは、

”仁くんより麗華の方が立場は上”ということ。


なるほど。この光景を見れば一目瞭然だね。



「…ふぅー、全く、初めから言う事聞いてればいいものを。」


やれやれ、と首を横に振る麗華。
その隣には、大人しくなった仁くんが。


麗華は私の方へクルッと体の向きを変える。

「桜、放置してごめんなさいね?この馬鹿のせいで…」


バシンッ、と本日2度目の叩きを喰らわせる麗華。


「え、ちょ、痛っ!ていうか理不尽過ぎる!」


「うるっさいわね!もうその言葉飽きたわよ!喋らないでくれる?」