元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー






「私、逃げたんだ、よ?」




一度、みんなの元から。




裏切り者だと私を見るみんなの目が怖くて、逃げた。




あの日、私があの場から逃げなければ今は変わっていたかもしれないのに。みんなが全部悪いわけじゃない。弱い私にも非はあった。





「もういい。桜が自分を責める必要なんて、無い」



「でもっ、」



「俺は、俺達は桜に自分を責めて欲しくない」



「...っ」




ここで私がまた自分を責めたら、悪循環だ。そんな事をしていたらキリがないことを、知ってる。蓮は、知ってるんだ...






「...分かったよ...私、」