元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー






「...っそんなのって、ないですよ...っ!もう、もうっ、何もかもぐちゃぐちゃで!戻れないじゃないですか...っっ!!」






一人の男の子が叫んだ。嗚咽混じりの、涙声で。...絞り出すように。





男の子の声が胸に大きく響いた。そうだ、戻れないって、みんな、そう思ってる。




あの楽しかった平和な日々はもう戻ってこないんだ。





誰を憎んだって、恨んだって、蔑んだって、...無力な自分を嘆いたって、なんにも、変わらない。






「...っふ、ぅ、」


泣きそうになった私の頭を、蓮が軽く撫でた。




「蓮...?」





蓮が、優しげに目を細めて、軽く微笑んで私を見た。








「戻れるなんて、思ってない。戻そうとも、思ってない」










「何を、言いたいの...?」





そんなの分かってる。戻れないって、ずっとーーー






「戻るんじゃない。一から、やり直そう」






「やりなお、す」