元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー





「っだから、知らねぇよ俺は!!」



「さっさと履け。お前の言い分は聞いてねぇ。」





倉庫の中から聞こえる怒声。



それを聞いためぐるは、




「………そろそろかぁ。」



意味深げにポツリと言葉を落とした。




「………どういう、意味…?」




私がそう尋ねると、めぐるは愉快そうに笑った。




「…っ答えてよ、めぐる!!」




黙ってちゃわかんないよ…



教えてくれなきゃ私、なんにも分かんない。



だって何も、知らないから。




叫ぶ私。


それでも答えないめぐる。



もう一度、と思った時、



私とめぐる以外の、もうひとつの声が聞こえた。




「まだ分かんないのぉ?


そんな無知だからみんなに”裏切り者”なんてレッテル貼られるのよ」