元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー







「……はぁっ、はっ、…」




こんなに全力で走ったのは初めてかもしれない。


今までこんなに真剣になったことも、初めて。




ただひたすら足を動かして、前へ進む。



ふと、横を見ると、見覚えのあるコンビニ。



このコンビニは、





「倉庫の近くだ…」





いつもみんなと、行っていた場所だから。





きっと、もうすぐ着く。



だから早く、早く、






そう思いながら、走るスピードを上げた。
















「……っ、……はっ…」






数分走った頃。




私の目の前に、大きな建物が見えた。





「…………はぁっ、着いた…」





やっと。


やっと、着いた。




心臓がバクバク鳴っている。



それ走ったせいでもあるけど、


これからの事を考えた緊張感でもある。