ホントはね。


ずっと、ずっと呼びたかった。



我慢してたんだよ。言ってはいけない、その言葉を。



君の名を呼んでしまったら、その先も言ってしまいそうで…




僕だけじゃなくて、きっとみんなも。



冷たい瞳をする渉だって、

いつも笑顔な櫂だって、

優しい目をする伊織だって、


……いつも冷静な、蓮だって。




きっと、きっと。

心の奥底で叫んでた。

みんなそれを分かっていて。


傷付けたのは僕達だから。

彼女の名前を呼べない。



だけど僕は呼んでしまった。


ごめん、ごめんね。


その言葉の続きを、言ってしまっても良いかな?


聞かなくても、分かっているけど。



僕は、その言葉を言ってしまう。
































____「好きだよ、桜。」