「桜のバカーっっ!!」


「ふっ、ご、ごめんって…っ」


「……絶対、反省してないよね。」


ジト目で見てくるめぐるを軽くあしらうように、話題を変える。


「ねぇ、めぐる。海崎くんと話したらいいのに。」


「む、むり…っ!」


ちぎれそうな程首をブンブンと振るめぐる。



「頑張って!ね、めぐる。」


「…桜、協力してくれる?」


「協力…?」


不安そうに聞いてくるめぐるに、首を傾ける私。


「うん、私の恋、応援して欲しいの。」


「応援、かぁ。…うん、分かった!めぐるのこと応援するよ。」


「ホントっ!?ありがとう!」


パァーっと顔を輝かせるめぐる。

…今日は喜怒哀楽が激しいね。


「ねね!じゃあね…」


「?」


「指切りね!」


そう言って私の小指に自分の小指を巻き付ける。


「…うんっ」


私はそれに、笑顔で答える。




「約束、ね。」





__”約束”。これが、私とめぐるが初めて交わした約束だった。