「桜に私の好きな人の顔教えておこうと思って…」
「そ、そうなの?…じゃあ、少しだけ見に行こうかな…?」
シュン、とするめぐるを見たら断れなくなった。
なので、めぐると一緒に二組へ向かうことに。
「………あっ!ほら、桜!あれが海崎くん!」
「へー…。」
歩いて数分、二組につくと、めぐるは窓から見る。
隣でカッコイイ!と言いながらキャッキャっとはしゃぐめぐる。
こんなめぐるは珍しい。恋をしたらそんなに変わるものなの?
「カッコイイ!」
頬を朱色に染めて海崎くんを見るめぐる。
今のめぐるのような人のことを、恋する乙女っていうのかな?
ボー…っと考え事をしながら海崎くんを見る。
茶色い髪に、長身の男の子。その周りには複数の女の子たち。
あの女の子たちも、めぐると同じように彼に恋をしているんだろうな…。
めぐるの言うとおり、カッコイイ男の子だけど私は興味無い。だって、カッコイイ男の子がタイプってわけでもないし。
…もし、私が恋をする日がくるなら。
あの頃のめぐるのように、”私自身”を見てくれる人がいい。


