「……絶対、誰にも言わないでよ?」


「うんっ、言わない!」


めぐるが言わないで欲しいというならば言わない。

それに、なんだか二人だけの秘密って感じがして嬉しいんだ。
”秘密”って、親密感を深めるものでしょ?だから秘密によってめぐると更に仲良くなれるのかと思ったら、すごく嬉しいの。

絶対的な信頼を、私におかれているような気がして。


「えっとね、……二組の、海崎っていうんだけど…。」


照れながら話すめぐるはとても可愛いと思った。なんか、恋してるって感じがするの。

…にしても、二組の海崎くん?

聞き覚えのない名前に、思わず首を傾ける。


「海崎くんって、どんな人?」



「えっ、桜、知らない?」


「うん。」


知らない、といえば驚くめぐる。
なんでそんなに驚くんだろう?有名な人なのかな?



「海崎といえばー…」



めぐるが言う海崎くん、とは。

学年一モテる男の子らしい。私は見たことがないけど、めぐるによれば、整った顔立ちをしている人。

性格も良くて、いろんな女の子に爽やか!と言われているらしい。


とにかく、凄くモテる男の子だということは分かった。



「ねね、桜も見に行こ?海崎くん!」


「えぇ?私は良いよぉ。ここにいるからさ、めぐる行っておいで?」


行こ!と言いながら私の腕を引っ張るめぐる。

でも、私は行く気がない。

だって興味ないもん。そりゃあ、めぐるの好きな人ってとこには少しだけ興味あるけど。別に、特別気になるってわけでもないから。