「誰なのっ!?」
「わっ、ちょ、落ち着いて桜!」
めぐるの両肩をガシッと掴み前後に揺らす。
気になって落ち着いてなんかいられない。むしろ正気な方がおかしいぐらい。
「……桜。話すからさ、とりあえずその手を離そうか?」
「え、…あっ!ご、ごめん!」
苦笑い気味に話すめぐるを見て正気に戻り、それと同時にめぐるの肩を掴んでいた手を離す。
「もぉ〜!桜ってば、普段そんなに慌てないくせに。」
「いや、めぐるの好きな人って聞いたことなかったから、さ。つい…ね?」
あはは、と笑い飛ばせばめぐるも流してくれた。ありがたい。
心の中でめぐるに感謝しながら、ついさっきまで慌てていた自分を思い出して羞恥心が煽られる。
「…で、誰なの?」
羞恥心を誤魔化すように、めぐるへと話しかける。
「えーっとね。…んー、なんか恥ずかしいなっ」
「焦らさないでよーっ!」
えへ、と照れ笑いするめぐる。
焦らされて更に落ち着きがなくなる私。
うん、カオス。


