元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー




「麗華って、俺だけに酷くない?」


「さ、着いたわね。降りましょ、桜。」




そう言って車を降りる麗華。



「え、ちょ、無視っ!?」


「あ〜、なんかどっかの馬鹿がうるさいわね。」


「…!それ絶対俺の事だよね…」


「はぁ〜?”誰が”なんて言ってないわよ?被害妄想激しいわね。」



ショボン、と項垂れる仁君を、麗華は仁王立ちで蔑んでた。

…、まさに絶対旺盛。



「れ、麗華!仁君が可哀想だよ…」


「!桜ちゃ〜ん!」


_ギュッ


「きゃ!?」


「あ゙っ!?」


突如仁君が抱きついてきた。

うっ、い、いきなりは吃驚するよぉ…。





「ん〜、桜ちゃん、抱き心地最高っ!」


更にギューっと強く抱き締められる。
流石にちょっと、苦しいような…っ!