「大丈夫、仁は強いよ。」 巴さんが、私の横に来てそう呟く。 その表情は、なんの曇りもない清々しい顔だった。 「巴……さん?」 「あっ、巴でいいよ、あとタメ口で。」 「わかった。」 巴さんは、口の端を上げた。 「アイツは、龍王全国トップの暴走族のトップだよ。」 全国で一番……。 全国で一番強い暴走族。 仁さんは、そのトップ龍王。 龍王という言葉が、頭の中で何度もリピートされた。