「お前……こんなことしてどうなるか分かってんだろうな?」 仁のドスの効いた声。 初めて聞く声で、いつもと違うくて怖くなる。 「こっちは分かってしてるんだよ。」 「それより破天荒だな、由奈は。」 朔が口角を上げると、仁が胸蔵を掴む。 思わず、身を乗り出してしまう。 「名前を呼ぶな。」 見ているこっちがハラハラする。 相変わらず険悪のムードが続いている。 そんななか、水瀬さんは何も動かず、ただ私と二人を見ている。 この二人があったら、こんな風になるのは当たり前だけど……。