この窓からでもいいから、今すぐ外に出たいな。 この窓から……? 「そうだよ、こここから逃げればいいんだ。」 「どうした?」 「ううん、ちょっと切るね。」 仁の返事を聞かずに電話を切る。 もう一度、仁からの着信がくるが出ないことにした。 きっと言ったら反対するから。 だから電話には出ない、ごめんね。 ―――私には覚悟が足りない。 今でもやっぱり怪我はしてほしくないって思ってる。 けど、自分に出来ることをするから。 囚われの姫なんてらしくないから、自分らしく会いに行くから。