足が恐怖で強張る。 怖い。 怖い。 怖い。 その言葉が頭全身を支配する。 ただ、走れ。そう思って、走って逃げる。 「由奈はあっちに走って。」 「私はこっち!」 二つの曲がる道があり、二手にそこを分かれる。 呼吸が乱れる。 もう息苦しい。 けど、逃げないと。 じわりと涙が浮かんで、目の前の光景が滲んで見える。 後ろを見ると、もう誰も来ていなかった。 良かった…撒けたんだ。 そう思って胸をなでおろした。 巴は大丈夫かな…大丈夫だといいんだけど。