「巴、話ってなに?」 「長くなるけど、聞いてくれる?」 巴は暗い表情で、訪ねてきた。 私は心配させないように笑顔を作って、ゆっくり頷いた。 巴はゆっくりと話しはじめた。 「最近、両親と喧嘩をしたの。」 「うん。」 「理由がね…。」 「うん。」 「お兄ちゃんと――。」 巴の言葉はそこで止まる。 とても言いずらそうな顔をしている。 こんな時、上手い言葉が出てこない…なんていえばいいんだろう。 巴はそして、おそろおそる口を開いた。