「本当に、助けてくれてありがとうございます。」 「別に、まだ助けてない。」 ……まだ? 私は充分助けられた。 「あんた、何に悩んでんの?助けてやるよ。」 そんなこと無理に決まってる。 雄也さんは、喧嘩が強い。 一度、喧嘩をしているのを見たことがあるけど、とても強かった。 数人に対して、一人だけで勝ったくらいだから。 「なに、言えないことなのかよ?」 「いや……危険です。」 ここまで、お世話になってるのにそんなこと出来ない。 危険な目に合わせることなんて、できっこない。