「百瀬さん。何か、あったの?」


悠夢はあたしの様子を見て、ただ事じゃないと思ったのか、そう尋ねてくる。


兄に、怪我をさせた。


今を駆け上がる、LanatureのDAIに怪我をさせた。


そんなこと、、、悠夢に話せるわけ、ない。


話す、必要だってない。


「ごめん。あたしのこと、、、放って置いて」


そう言い、あたしは悠夢のことを見ることもせず、、、


再び、足を動かした。


兄は「家に帰ってくる」と、約束してくれた。


今はただ、兄の怪我が対したことがないことを祈ろう。


祈って、兄が家に帰ってくるのを待とう。


そう思い、あたしは家に向って、、、走った。