思い出すとあんなこともあったと思う。

あのあと、どうしたっけ。


「ねぇ、日向、中学のときのかみきり事件あったよね。」


日向がうつむいた。


「ん?・・・・あぁ、お前が髪伸ばさなくなっちまった。」


最後の方は小声になってた。

そこまで覚えてたのか。


「別にそこまではいいの。んでさ、あのあとどうなったっけ。」

「あいつらは俺が脅しておとなしくさせたっけ。」

「違う!そのあと!髪よ、髪。」

「んーと、確か俺の家で切ったんだよ、俺がな。丁寧に。」

「日向って、そんなに器用だっけ?」
と返しつつ、心のなかで


ありがとう。


と、呟いた。


「そぉーおーちゃぁぁぁん!」

「えいっ、」

「グハァッ」


私に飛び付こうとした見た目からしてチャラそうな男子。若元 常盤(ワカモト トキ)君、日向の友達。

を日向がラリアットした。


「くそ、またお前のせいかよ!日向覚えとけよ?」


「お前が抱きつこうとするのが悪い。むしろこの程度ですんでよかったと思え、」


「いや、俺、奏ちゃんに殴られるならそれもそれで・・・・」


「うちの奏太を変な道に引き込むなよお前。」


「うちのってお前のじゃねぇーだろぉ!」


ガヤガヤ

私はこの二人のやり取りをみるのが大好きだ、


ずっと、続けばいいのに