アラビアン☪ナイトー砂漠の騎士ー

「ゴホンッ…ゴホッ…ンッ」


青年が顔を歪ませ、息を詰まらせる。


「そんなにいきなり飲ませてはいけません、お嬢様!」


召し使いの一人が飛んできて、青年の身体を起き上がらせた。


口に含ませた水が吐き出される。


「ンッ……」


青年の目が薄っすらと開きかけた。


「あっ…」


皆で様子を見守っていると、しばらくして青年の目が虚ろに開かれた。


美しい緑色の瞳が、松明のチラチラ揺れる明かりに照らされる。


なんて綺麗な瞳なの……


青年の褐色の肌によく合う、今までに見たことのない幻想的な色。


私はその瞳に心を奪われ、しばらく目を離せなかった。