アラビアン☪ナイトー砂漠の騎士ー

「奥様が大広間にいらっしゃったとき…お嬢様も一緒にいらっしゃってたこと、気付いてた?」


「知らねーよ」


ラムリは俺の痛いところを次々と突いてくる。


「すごく綺麗なドレス着てた…エメラルド色の」


ラムリがうっとりと言った。


「お前でも…ドレスに憧れるのか?」


「もちろん!たぶん私は一生着れないんだろうな…」


「そうか…」


綺麗なドレス、か…


「アラン…今日、誰が宴に招待されてるか知ってる?」


ラムリが小さな声で言い、俺を心配そうな顔で見ている。


「どうせ知り合いだろ?」


どうしてラムリがそんなに不安そうにしているのか分からない。


「今日いらっしゃるのは…」


いつもは明るいラムリの顔が曇っている。


「…シャナお嬢様の1番の婚約者候補、ジョミン様だよ」


こ、婚約者候補……!