「ちょっと、さっきお嬢様があんたのこと見てたよ?」
大広間の準備が終わり、俺とラムリは階段に腰掛けて少し休憩をとっていた。
ここは屋敷の裏庭。
めったに人が入らないところだから、周囲には誰もいない。
「お嬢様とアランって、一体どんな関係?砂漠でおとぎ話みたいな出会いをしたってことは知ってるけどさ」
「別に大した関係じゃねぇよ」
俺の返事にラムリは呆れている。
「ほんっと、嘘つきなんだから…」
「そうかもな」
「うわ、もうアランのことは信用しないでおこうっと」
「そうしとけ」
「……」
ラムリはしばらく足元を見て黙っていたが、不意に口を開いた。
「お嬢様…絶対アランのこと好きだよ」
「ないだろ」
ラムリに何が分かるんだ。
