アラビアン☪ナイトー砂漠の騎士ー





「ちょっと、さっきお嬢様があんたのこと見てたよ?」


大広間の準備が終わり、俺とラムリは階段に腰掛けて少し休憩をとっていた。


ここは屋敷の裏庭。


めったに人が入らないところだから、周囲には誰もいない。


「お嬢様とアランって、一体どんな関係?砂漠でおとぎ話みたいな出会いをしたってことは知ってるけどさ」


「別に大した関係じゃねぇよ」


俺の返事にラムリは呆れている。


「ほんっと、嘘つきなんだから…」


「そうかもな」


「うわ、もうアランのことは信用しないでおこうっと」


「そうしとけ」


「……」


ラムリはしばらく足元を見て黙っていたが、不意に口を開いた。


「お嬢様…絶対アランのこと好きだよ」


「ないだろ」


ラムリに何が分かるんだ。