アランはやっぱり優しかった。
「入るぞ」
ガチャリと音がして、アランが私の部屋に入ってくる。
ーーやっぱり遊びに来てくれたのね。
「草むしりは終わったの?」
「終わってなかったらここに来てねえよ」
アランはぐるりと私の部屋を見回して、
「相変わらず金ピカだな」
と、白い歯をちろっと見せて言った。
アランの褐色の肌をした身体の中で、真っ白な歯はよく目立つ。
「私だって、好きでこんなところにいるわけじゃないのよ」
アランは気だるそうに窓辺まで行き、砂漠の乾いた風に当たっている。
「何だよそれ。…お前、ほとんどの国民を敵に回したな」
この贅沢人。
アランがそう、小さく呟いたのが聞こえた。
「ほんとよ、ほんとに私…ここにいるのが好きってわけじゃないの」
「じゃ、俺みたいな貧乏人になりたいか?」
「そ、そういうことじゃなくて…」
私はただ、自由奔放に生きているアランが羨ましいだけ。
「変なことを考えるのはよせ」
アランがどこか遠くをみて言った。
「この世の中、結局金の有り無しで決まるんだ」
