鼻歌を歌いながら庭を眺めていたら、アランを見つけた。


一生懸命草むしりをしている。


「アラーン!」


大きな声で呼んでみたら、めんどくさそうにこっちを見てくれた。


アランが来てからちょうど1ヶ月が経とうとしている。


だいぶ仕事にも慣れたようで、他の召し使いとも上手くやっているとマナラから聞いた。


アランのことは正直、まだあまり分からない。


お喋りな性格でもないし、かと言って喋らないわけでもない。


冷たい雰囲気だけれど、夜になると必ず私のところへ来てくれる。


アランが手を握っていてくれるようになってから、私はあまりうなされ続けることがなくなった。


ーーだんだんと、三日月を持つ者を探しに行くのも面倒になってきたわ。


アランがいれば、うなされることなんてないもの……