アラビアン☪ナイトー砂漠の騎士ー

寒く暗い廊下を忍び足で歩く。


ランプで周囲を照らしたら、壁に飾られた虎の剥製の頭部と目が合った。


背中に悪寒が走る。


声のする方へ向かって行くと、渡り廊下にたどり着いた。


どうやら隣の建物から聞こえてきているようだ。


俺は恐る恐る渡り廊下を進み、隣の建物に侵入した。


「うっ、ううっ…」


声は上の方から聞こえてくる。


ランプを高く上げて周囲を照らすと、階段が目にとまった。


俺は大理石の階段を駆け足で上がる。



階段を登りきると、声が大きくなってきた。


この近くだ。


この近くに、苦しんでいる人がいる。