アラビアン☪ナイトー砂漠の騎士ー





何かの音がして、俺は目を覚ました。


暗くて辺りの様子は分からない。


でも屋敷のどこからか音がしている。


人の声か……?


でもこんな時間に?


この屋敷にいる者は皆、もう寝静まっているはずだ。


「ううっ…んっ…」


はっきりとした音が聞こえた。


……人の声だ。


「や…やめ…て……!」


遠くから聞こえる小さな声。


でも俺の耳には、はっきりと届いた。


ーー行かなければいけない。


俺の心になぜか突然、使命感が湧いた。


なぜだろう、自分でも分からない。


けれど俺はベットを抜け、明かりを手に持って部屋を飛び出していた。


嫌な予感がする。