お父様は意外にあっさり、アランが働くことを認めてくれた。
やったわ…これで少しは毎日が楽しくなるかもしれない。
自分と歳の近そうな男の人と、あんな風に親しげに話すのは初めてだった。
だからテンションが上がって、はしゃぎすぎちゃったかも。
「マナラ、アランに仕事を教えてあげてね」
私はそう言い残してから、自分の部屋に戻った。
鏡の前に座って髪の毛を整え、唇に赤い口紅を引き直す。
……アランのあの緑色の瞳。
あの瞳の中に、もし三日月のマークがあったら?
そうだったらいいのに。
アランが、そうだったらいいのに…
