アラビアン☪ナイトー砂漠の騎士ー

後ろからわずかに青年の温もりが伝わってくる。


「……町で、仕事を見つけようと思ったんだ…ゴホッ」


「そう…でも歩いてこの砂漠を越えようとするなんて、あまりにも無茶よ」


「俺、ラクダなんて持ってねえから…」


身なりからして裕福でないことは確かだ。


けれど無茶だと言わずにいられなかった。


でもきっと、無茶をしなければいけない理由があったのね…


「今…どこに向かってる?」


「町よ、私の屋敷があるの」


「……町か。そいつは丁度良いな…」


「ところで…あなたのお名前は?」


私はずっと気になっていたことを口にした。