キスの味を知らないまま、死ぬのは嫌だった。


ひたすら太陽の光がじりじりと照りつける砂漠。

その真ん中に、俺は横たわっている。


このまま干からびて、俺の人生は終わるのだろうか。


別にやり残したことはない。


そもそもやるべきことも、やりたいこともない。


18年間の短い人生、俺は悪さをして命をつないできた。


当然盗みもしたし、食い逃げもした。


喧嘩で血を流したこともあれば、イカサマの賭けで、相手から大金を巻き上げたこともある。


今日を生きるのが精一杯の、綱渡りの人生だった。