† トータル †








ユミコ姉ちゃんへ連れられ来たのは、白い壁に白い床の、シンプルな部屋だった。

真ん中には、長いテーブルと、つぎはぎだらけの布がかけてある椅子だけ。

他にはなにもない。



「座って待ってて」



暫くして、奥からユミコ姉ちゃんはお茶椀を持ってきた。

中身は、水を吸い込みやっこくなった白いご飯。



「これだけしかなかったの」

「ユミコ姉ちゃんは食べないの?」

「あたしは良いの。ミウだけどうぞ」

「いただきます」



一口食べると、柔らかく水っぽいご飯の味が、広がった。

正直言ってまずかったけど、お腹が空いていたのもあり、食べた。



二口食べたところで、視線を感じた。



振り向くと、あたしよりも小さい男女2人が、こちらを眺めていた。



「どうしたの?」



聞いてみると、部屋中に大きな空腹を知らせる音が響いた。



「お腹空いたの?」



ユミコ姉ちゃんが奥へ向かうけど、何も手にしていなかった。



「ご飯ないや・・・」



あたしは、食べかけの水っぽいご飯を、2人に見せた。