☆杏奈side☆





オレは、美果を、織子を、美雨を尊敬している。

そして、誰よりも大事に思う。




だから、白鳥智也が許せなかった。

オレらの世界に入ったから。




オレらだけの世界を。

誰にも邪魔させたくなかった。




「杏奈!」



そう呼ぶのは、あの3人だけで良い。





オレは、普通などこにでもある家に生まれた。

その頃は一人称もオレじゃなかった。

両親と妹に、アンって言われていた。

オレはアンと自分で言っていた。


友達はまあ、少なくもないし多くもない。

特に仲良かったのは、美果と美雨。

近所に住んでいた幼馴染。



織子が加わるのは、もう少し先。