「どうして君らは・・・
トータルを続けるんだ?」




(・・・どうして、か)




「・・・人のためになりたいから、かな?」

「人のため・・・だと?」




何故か驚いた顔をする智也。




「私たちが、お金のためにトータルをしていると思っているの?」

「いや、そうじゃない」



即答され、美果が驚く。




「・・・どうしてそこまで、人のためになれるのだ?」



(どうして?)



「智也さんが探偵をしている理由って、誰かのためではないの?」

「いや・・・違う」

「違うの!?」



思わずクラスで智也に聞かせているいつもの声が出てしまい、思わず美果は口元を両手でおさえる。

幸い、智也は気が付いていないみたいだ。