† トータル †









(どうして!?)

(手錠なんて・・・)



2人はカチャカチャと、手錠を動かす。



「まんまとハマってくれて、嬉しいですよ。
しかし、天才だと言われていましたが、こうもアッサリ捕まってしまうとは。
父さん、あなたは一体、何をしていたんですか?」



実の息子に正論を言われ、父親は落ち込んだ。

しかし、落ち込んだのも束の間。

すぐに元気を取り戻した。



「まあ良い。連行して行け」



2人に手錠をはめた男2人は、「はい」と頷き、歩き出す。

しかし、2人を放置したままだ。



「おい!2人を連れて行け!」

「・・・無理ですね」

「そうそう」

「は?」



予想外の男2人の回答に、警部は目を見開き、口を開けると言う間抜けた表情になった。



すると。

男2人は一気にスーツを脱いだ。


現れたのは、黒いジャケットに黒いつば付帽子をかぶった、2人組だ。



そう。

美果と織子に似ている・・・。