地下室の入り口に、立っていたのは・・・
あの高校生探偵で転入生・白鳥智也だった。
(智也くん!?)
美果は驚くも、表情は相変わらずの無表情のままだ。
喜怒哀楽が簡単に出てしまう性格のため、無表情を練習したのだ。
「初めまして、トータルさん?」
智也の挨拶に、2人は会釈を返す。
挨拶されたのなら、挨拶を返すのが常識だ。
「僕は白鳥智也です。
あなた方を追う、白鳥勝也の息子です」
「・・・ええ、ご存知です。
同時にあなたが、高校生探偵だと言うことも」
美果が言うと、智也は口元を上げた。
勿論声を変えているので、美果だとばれる心配はない。
「光栄ですね。
あなた方のような天才泥棒に、名前を覚えていただけるなんて」
天才と言われ、美果は心の中でガッツポーズをした。
「あなたの防犯カメラの突破方法、聞きました。
さすがですね。
お名前を伺ってもよろしいですか?」
「・・・イオ」
「イオ・・・。
もしかして、ハッカー界で名を知らぬ者はいないと言われる、天才ハッカー・イオのことですか?」


