2人は背中合わせになり、どこから来ても大丈夫なようにしている。

そしてそのまま、歩き出す。



ちなみに、トータル実行2人は、美雨や杏奈と違い、黒いつば付帽子を深くかぶっている。

顔がばれる心配はない。

声もいつもとは違う声を出せる。




「・・・いたぞ!」

「あそこだ!」



右の方向から、警備員が沢山来る。

反対の左の方からも来る。



織子は背負っているリュックサックから、杏奈が作った煙玉を出す。

催眠ガス入りだと白鳥警部にはばれているので、今回からは黒い煙玉だ。

白い煙玉に黒い絵の具を塗っている。

黒い煙玉を、警備員に向かって投げる。



落ちた途端、もの凄い勢いで煙が噴き出す。

煙を吸わないよう、2人はポケットからガスマスクを出す。



警備員は、全滅と言って良いほど、倒れて眠ってしまった。

2人は頷きあうと、地下室へ向かう。



「ねぇ、どうしてわかったの?」

「防犯カメラのハッキングがばれたのでしょうか?」



長く暗い階段を下りながら、2人はガスマスクを取りながら話す。