「やっぱり、綺麗な絵だな」

「早く、持ち主に返したいね」



助手席に座りながら、絵を見る杏奈の横から、運転席に座る美雨が盗み見る。

その顔は、満面の笑みだ。




「そういえばさ、警部と智也くんに会ったよ」



美果が報告すると、美雨と杏奈は「そうか」と頷いた。



「え?反応薄くない?」

「だって、聞こえているもの」

「忘れていたのか?美果」

「あ・・・そっか」

「相変わらずですねぇ美果は」

「たっ、たまたま忘れたんだもんっ!」

「たまたまで忘れるかしらね?」

「美果ならあり得るんじゃね?」

「あ~!美雨も杏奈もひどぉいっ!」

「まあ良いじゃないですか。
絵は無事、手に入ったんですから」




織子が微笑みながら言う。

それに、美果が笑い返す。




「当たり前じゃん!
だって、トータルは?」

「「「「全て盗む!!!!」」」」







【END】