「僕とけいは小学校からの親友なんです。ゆいと家のことはあまり喋りたがらなくて…どうしても、俺気になって…」,
「そうだったんだ…」
でも、無理はない。
私が全部壊したんだからね。
「ごめんね、けいくん。ゆいとが家の事情を聞きたがらないのは……」
「私が両親を殺してしまったから、」
「え……」
目を大きく開けて驚くように慌てたそぶりを見せるけいくん。
「もう、昔の話なんだけどね…」
「……辛く、ないんですか?」
「え??な、なにが?」
「両親を亡くしてしまったこと」
「そりゃぁ、悲しいなぁ…私ね、この命両親がくれたの。」
私は昔話を聞かせた。
私の代わりに亡くなってしまった両親の事や、ゆいとのこと、
そして、兄妹のことも。
でもけいくんは何かを気遣ってくれたのか、可哀想など、同情の言葉は言わずに
「大変でしたね…」
うなづきながら、すこし深刻そうな顔ををして聞いてくれた。
けいくんって、ものすごくいいこだなぁ。

