早川先輩の溺愛。




「せんぱ、のせーで、泣けてきたんですけど!」


「もっと泣いていいよ?
…ただし、俺の前だけね。」


ほんと、意味わかんないから。
乱れた髪の毛もそのままに、あたしはおでこを先輩の肩にコツンと当てた。


「泣き顔ブサイクだな。」

「見えてないでしょ!
…どうせブサイクですよっ」


あたしがそう言うと、早川先輩はふるふると肩を震わせた。


「ちょ、笑わないでくださいよ。
全部、全部早川先輩のせーですから!」


しゃくりあげながらのあたし、たぶん最高にカッコ悪くて可愛くない。


「俺のせいにして我慢しないで泣けばいいんだよ。
…藤野はさ、強いけど。
俺だけには弱いとこも見せてよ。」


欲しい言葉をくれる早川先輩に、あたしはポロポロ涙。
なに、あたしこんなに溜め込んでたわけ。