「さみしかったら、俺を頼ってよ。」
「え?」
うつむきかけた顔をあげると、思ったより真剣な顔をした早川先輩。
「俺、藤野1人くらい受け止めれるんだけど?」
ニヤリと笑う早川先輩はカッコ良くて、少しだけドキドキする。
「親と離れて、さみしくないわけないだろ。
…あんまり溜め込まずに、ちゃんと頼って。
俺がいつでも慰めてあげる。」
早川先輩はあたしを引き寄せて腕の中にすっぽりと入れると、わしわしと髪を撫でた。
「ちょ、早川先輩やめて!
わわっ、くすぐったいから!」
犬でも撫でるみたいに愛でる早川先輩に、あたしはなんだか泣けてきて。
こんな風に優しくされたり、自分を包んでくれる温もりにあったのは本当に久々な気がするから。

