「遅くなっちゃったな。」 アパートまで送ってくれた早川先輩は、申し訳なさそうに頭をかいた。 「大丈夫ですよ、全然。 あたし今一人暮らしですし。」 「え?なんでだよ?」 あたしの両親はただいま海外に出張中ーーーー。 高校が決まってたあたしは引っ越すのが嫌で、ワガママをいって残った。 それを話すと、早川先輩は腕を組んであたしを見下ろした。 「お前、さみしいとかおもわねぇの?」 「…全然、へっちゃらですよ?」 ウソ。本当はさみしい。 けどそれは、言葉にしたら溢れそうで。