早川先輩の溺愛。




「あ、チーズケーキ食べたいんですか?」


前もそうだったけど、食べたいならいえばいいのに。
一口サイズのチーズケーキのささったフォークをゆらゆら揺らしてにっこり笑った。


「別にそういうわけじゃ…」

「じゃあ、なんです?」


不満げな早川先輩に首を傾げる。
よくわかんない、あたしはエスパーじゃないんだから。


「わっ…」


いきなりあたしの手を取った早川先輩は、そのままチーズケーキをパクリと口に入れた。


瞬間、その顔は苦悶の表情へと変わる。
すぐに飲み込んで紅茶をすする様子を、あたしはただ呆然と見ていた。