早川先輩の溺愛。




それから紅茶を頼んだあたしたちは、ケーキを持ってテーブル席に戻った。


「すんごく美味しそう!」

「…そんなに食べたら太るよ?」

「余計なお世話なんですけど。」


呆れた顔をする早川先輩はほっといて、あたしはショートケーキからパクリと食べた。

甘酸っぱいいちごと、滑らかなクリームは間違いなく最高。


「早川先輩は、なんていうか意外と乙女趣向ですよね。」


季節のフルーツタルトは女の子に人気の、いわゆる『期間限定』メニュー。

タルトをこぼさず食べる早川先輩は、やっぱり由緒正しい風ヶ丘男子なんだな。