「好きなやつとか、いないの?
…例えば近藤慧とか。」
「慧⁉︎…なにいってるんですか。」
おしゃれなテーブル席に視線を落としていった早川先輩。
ただ、いってることがおかしすぎて、あたしは逆に言葉もでなかった。
「だって幼馴染だろ?」
「先輩は幼馴染なら好きになるんです?
…こんな話してるって慧にばれたら、大爆笑ののちに殴られます。」
あたしが慧のこと好きなんて、どうやったら考えられるのか。
慧はあたしにとっては大事な幼馴染で、友達みたいなもの。
「想像できなさすぎて困りますよ」
初恋も定かじゃないけど、とりあえず慧ではない。断じて。

