長身のあたしでも見上げてしまうくらいの身長の早川先輩は、もちろん服もデカくて。
それでも春の肌寒さからしっかりと守ってくれた。
…風ヶ丘のセーターきて歩くのは、すごく勇気がいったけども。
「藤野このあと暇?」
ちょっと不安そうな早川先輩が可愛くて、あたしは思わずくすりとわらった。
「早川先輩、女の子誘って断られたことあるんですか?」
「…誘ったことがない。」
……さいですか。
「あたし先輩に遊んでもらう気で来ましたから。」
なんせ暇だし。早川先輩とももっと仲良くなりたい。
「じゃ、いいとこ連れてってやる。」
そう言って歩き出した。

