「クリーニングして返すから。」


早川先輩は、どうしても、冬樹君のあれつきのセーターをクリーニングするって聞かなくて、


「あたしも洗って返しますね。」


自分もワイシャツとセーターを借りてるから、またいつか落ち合うことになった。

「本当にありがとう。」


そう言って、


「へ、…早川先輩っ」


頭にキスされちゃったときはどうしようかと思ったけど。


…イケメンのやることはわかんないや。


とりあえず後輩への感謝のしるしってことで、顔を真っ赤にして受け取った。


「あー、マジで好き、藤野。」

「あたしも早川先輩好きですよ?」

「それたぶん違うから。」


なにがいいたいんだろ。



肩を落とす早川先輩を気にかけながらも、あたしは家に帰ったのだった。