「…こんな時間にどうしたんだよ。」
風ヶ丘は授業中…じゃ、ないよね?
ちょっと不機嫌そうな声だったけど、周りはガヤガヤしてるからきっと大丈夫。
「アキって名前で、弟に冬樹くんがいる風ヶ丘の生徒知らない?」
一か八かだけど、これでわかんなかったら乗り込むしかない。
でも風ヶ丘は女人禁制らしいんだよね。
いくらあたしでもそれは躊躇う。
「…ちょっと聞いてくるから待ってろ。」
腕の中の冬樹くんはマジでやばそう。呼吸もやばくなり始めたし、結構危ないと思うんだけど。
「……冬樹がどうしたの?」
突然聞こえたのは、どっかで聞いたことあるような声。
…だれだっけ。
ちょっと焦った低い声は聞き覚えがある。
「冬樹くんが迷子でふらふらしてて、声かけたら熱がありそうなんです。
…風ヶ丘にアキっていうお兄さんがいるって聞いたので。」
「…どこ、すぐいく。」
「すぐ目の前の公園のベンチです。」

